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【プロ野球】セイバーメトリクスまとめ

セイバーメトリクスとは、野球においてデータを統計学的見地から客観的に分析し、選手の評価や戦略を考える分析手法です。(wikipediaより)

簡単に言うと、今までになかったより詳しい指標を用いて野球をやろう(勝とう)という感じです。

最近、プロ野球を見ているとセイバーメトリクスを根拠に解説をする人がいたり、ヤフオクドームや札幌ドームなど大型モニターにセイバーメトリクス指標を表示している球場があったりと、公式でもセイバーメトリクスが使われ始めています。

僕もあやふやな指標が多いので、シーズンが開幕するまでに覚えてしまうためにも簡単に解説しつつまとめてみたいと思います。

 

 

主なセイバーメトリクス指標

OPS(On-base plus slugging)

OPS=出塁率長打率  で算出される総合的な打力を示す指標です。打率よりもチーム得点数との相関が高いため、よく使われるようになりました。平均は.700前後で、以下のように評価されるそうです。

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(wikipediaより)

 

ちなみに、長打率二塁打以上を打つ確率ではなく、塁打÷打数で表されます。

塁打=単打×1+二塁打×2+三塁打×3+本塁打×4 です。

 

IsoP(Isolated power)

IsoP長打率-打率 で算出される指標で、打者の純粋な長打力を測ることができます。長打率だと、100打数で単打100本の選手も本塁打25本の選手も長打率1.000となりますが、長打力が同じであるとは言えません。そこで、新たに長打力を測る指標としてIsoPが導入されました。

平均は.120前後で、.200を超えると優秀とされます。

 

IsoD(Isolated Discipline)

IsoD = 出塁率 - 打率  で算出される指標で、「四死球によってどれだけ出塁したか」を表します。要するに選球眼の良し悪しですね。

0.07から0.08あれば合格点、0.1越えならその分野では一流と言われているそうです。2016年は不調だった阪神タイガース鳥谷選手ですが、IsoDは0.108という高水準でした。連続試合四球記録トップタイに並んだソフトバンクホークス柳田選手は0.140でした。化け物ですね。

 

P/PA (Pitch per Plate Appearances)

P/PA = 投球数 ÷ 打席  で算出される指標で、1打席あたりの被投球数を表します。これが高いと、打席で粘れる、カットできる打者ということになります。

 

BABIP(Batting Average on Balls In Play)

BABIP = (安打 - 本塁打) ÷ (打数 - 奪三振 - 本塁打 + 犠飛) で算出される指標で、「本塁打を除くグラウンド内に飛んだ打球が安打になった割合」を表します。「フェアゾーンに飛んだ打球がヒットになるかどうかは、投手、打者個人の能力だけでは決定できない」という事実に基づき、長期的に見ればBABIPはどの選手でも3割前後に収束するという事実が証明されています。

よって、打者のBABIPが以上に高い場合、その打者は「運」がよくて成績が上がったと結論付けされます。この理論で考えると、2016年の交流戦でMVPを取ったソフトバンクホークスの城所選手は、シーズン打率は.264でしたがBABIPは.340とかなり高かったですので、実力というよりは運がよかったと言えます。

このインプレー打率は選手によらず.300前後に収束するというのはなかなか納得しづらいですが、選手の好調が実力によるものなのか運によるものなのかを判断する指標として幅広く取り上げられています。

 

UZR(Ultimate Zone Rating)

「リーグにおける同じ守備位置の平均的な選手が守る場合に比べて、守備でどれだけの失点を防いだか」を表す相対的な指標です。算出方法は非常に複雑で、データスタジアム社などの企業が出した結果を僕たち素人が見るという形になります。相対評価なので、年ごとに数字がかなりばらつきますが、大体以下のように評価されるそうです。

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(wikipediaより)

 

今年もそうでしたが、記者投票で決まるゴールデングラブ賞をUZRがマイナスの選手が受賞してしまったりして度々話題になっています。

 

QS%(Quality Start Persent)

先発投手が6回以上を投げ、かつ自責点3以内に抑えたときに記録されるのがQSで、全先発登板試合数におけるQSの割合を示すのがQS%です。先発投手の「試合を作る能力」を表します。リーグ平均は55%前後です。

HQS(High Quality Start)という、先発投手が7回以上を投げ、かつ自責点2以内に抑えた場合に記録されるQSの上位指標もあります。

 

WHIP(Walks plus Hits per Inning Pitched)

WHIP = (被安打 + 与四球) ÷ 投球回  で表され、「1回あたり何人の走者を出したかを表す数値」です。評価基準は以下のようになっています。

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wikipediaより)

 

DIPS(Defense Independent Pitching Statistics)

インプレー打球の結果は味方の守備力や運に左右されるため、このインプレー打球の結果を無視し、投手自身の能力による結果である与四球、被本塁打奪三振を基に算出した疑似防御率です。1試合(9イニング)投げた時の自責点期待値である実際の防御率よりも投手の能力を反映しているため、最近はよく使用されているそうです。

DIPSの簡易版としてFIPがありますが、こちらも計算方法はかなり複雑です。

 

BB/9(与四球率)、K/9(奪三振率)

どちらも9イニング当たりの割合を表します。平均は、BB/9が3.00前後、K/9が7.00前後です。

 

K/BB

奪三振と与四球の比で、これが高いほうが投手としての完成度が高いとされています。

 

WAR(Wins Above Replacement)

「そのポジションの代替可能選手(Replacement)に比べてどれだけ勝利数を上積みしたか」を表す指標です。代替可能選手の定義は「平均以下(below average)の実力で、容易に獲得できる(easily obtainable)選手」だそうです。

算出は、チームの得点増、失点減にどれだけ貢献したかという基準で行われるので、野手なら打撃力、走力、守備力すべてが関わってきます。なので、例えば2015年の筒香選手と平田選手が打撃力は筒香選手が、守備力は平田選手が優れていますが、WARはほとんど同じで4.5付近という結果になったりします。筒香選手の方が活躍しているイメージだったので、どちらも同じくらいの貢献度というのは意外でした。ちなみに2015年WARトップは山田選手の12.3です。

算出方法は会社によって異なるみたいなので注意が必要です。

 

まとめ

よく見るセイバーメトリクス指標についてまとめてみました。細かい指標はまだまだたくさんありますが、とりあえずこれだけ覚えておけばプロ野球観戦がさらに楽しくなるのではないかなと思います。

日本では、野村克也氏がヤクルトスワローズで監督をしていた時に、ID野球というデータを駆使して野球を行うスタイルを提唱してセイバーメトリクスが広まったそうですが、現役の監督でも横浜のラミレス監督なんかはデータを駆使して戦っていることが伺えるコメントをよくしているので、ID野球という観点からプロ野球を観戦するのも中々楽しいです。